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エレベーターが運命を変える時
コモンるみ

ニューヨーカーは知らない人に話しかけたり、スモールトーク(軽い立ち話)をしたりするのが本当に上手です。

知らない人と目が合っても瞬時にニコッと返します。

習慣の違いとはいえ、これがわたしはとっても苦手でした。まして、知らない人にナンパされてつきあうなんて絶対ありえない世界でした。笑

みなさんはいかがですか?

しかも、ニューヨークに来たばかりの頃は、まだとても治安が悪く、 いかに知らない人とのトラブルに巻き込まれないかということばかり考えていました。

エレベーターに乗るときも、見知らぬ人と二人だけ密室に閉じこもることにならないよう、見かけが怪しい人と二人だけの時はエレベーターを一つ見送ったりね。

または、二人だけになる時に備え、すぐに非常ボタンや全部の階のボタンを押せるよう、パネルの前にへばりついていたり。

知らない人とも会話をかわせるようになったのは、それが自然で上手にできる夫と結婚してからです。

ただそんなわたしでも、だんだん慣れてくると、一目見ただけで、この人は話しかけても安全な人か、この人はやめておいたほうがいいかは、判断がつくようになりました。

で、スモールトークを徐々にマスターすると、それまでは見えなかった幸運の扉が突如出現し、人生をとんでもなくいい方向に開けてくれることがあると知りました。

たとえば、エレベーターの中でほんの十秒間空間を共有しただけでその二人が結婚するという嘘みたいなことすらあるのです。

その際に交わす笑顔やスモールトークが「幸せ開けゴマ」の合図なのです。

 

先月ヴェールにスキーに行った際、ちょっと素敵な体験をしました。ホテルのジムでヨガクラスに参加した時のことです。

ヨガのクラスには、若い魅力的なカップルが1組だけ来ていました。奥さんはモデルさんみたいに素敵。で、妊娠中でした。

 

普通ならニコッとするのがせいぜいのわたしです。でも妊婦さんには 何となく話しかけやすい。

いつ産まれてくるの?と、笑顔のきれいなモデルさんばりの彼女に 話しかけたのです。

ヨガクラスが終わった後は、ご主人も交えてさらに会話が弾みました。

 

彼も彼女も見知らぬ人と会話することに全く屈託がなく、バリアを感じません。気がついたら、どうして彼女たちが知り合ったかという話に身を乗り出していました。

彼と彼女は、ニューヨークで8年前知り合ったそうです。

どこで?

なんと彼が住んでいたアパートのエレベーターの中で。

え〜嘘でしょ、って思うでしょ。笑笑

10階からロビー階までの間に、後から乗ってきた彼女と、彼は目が会い、彼女が微笑み返してくれたから、勇気がでた。

そして、数秒の間に彼女の電話番号を聞いた!ということなんです。

 

ところが、彼の携帯はその日に限ってバッテリーが切れていた。すると、彼女が「わたしにあなたの番号を教えて。必ずかけるから」と答えたそうです。

で、2日後にはデート。そしてトントン拍子に進んで2年後には、同じエレベーターの中で、彼は跪いてプロポーズをしたのです。

彼女がイエスというと、二人で屋上まで行って、そこにスタンバイしていたプロのカメラマンが記念撮影。

(プロポーズの後二人を待ち構えていたカメラマンがパチリ)

 

似たような話を、娘がまだ小さい頃、公園で同じ年齢の子供を遊ばせていた時知り合ったママ友から聞きました。

お砂場でニコニコしている彼女には、わたしでもすんなり話しかけやすかったのです。

どうやってご主人と知り合ったの? とわたし的には定番の質問をすると、彼女は「エレベーターの中で」って答えたのです。

「待って、その話、どこかで読んだわ。もしかして数年前、ニューヨークタイムズの結婚欄に取材されなかった?」と聞くと

「されたわ、それわたし達のこと」

と彼女は笑いながら答えました。

運命のエレベーターに後から乗って来たご主人は、彼女の笑顔に一目惚れ。なんとか地上に着くまでに話しかけなくちゃとドキドキしながら、一緒にお寿司を食べに行く約束まで取り付けたそう。

 

あまりに信じられないお話だったのでずっと鮮明に覚えていたのです。

ニューヨークって不思議とこういうことが起こるんです。

他人との間に横たわる溝を、ひょいと乗り越えるのが上手な人が多いからなのでしょうね。

 

さて、上記のヴェールで会ったヨガカップルのことは、ニューヨークに戻って来た後も、時々、どうしているかなと思い出して、ほっこりした気分に浸っていました。

が、実は、これには続きがあって。

先週、夫はボストンに出張中でした。2日目ボストンの夫からメールがきました。夫のクライアントが送ってきたメールをコピペしてきました。

 

 

クライアント;マギー(妻)と ヴェールの思い出をまとめていただんだけど。もしかして君の奥さんの名前はRumi?

夫;そうだけど、どうして知っているの?

クライアント;妻と二人で、ホテルのヨガのクラスに参加したんだ。土曜日の朝でヨガクラスに参加したのは僕たちとRumiだけ。Rumiとすごくナイスな会話をしたんだ。彼女に僕たち夫婦はウエストビレッジのエレベーターの中で出会ったって話したんだよ。

夫 君が住んでいたのはアーカイブビルだろ。Rumiから聞いたよ。ははは、あり得ないね。

(彼が住んでいたニューヨークアーカイブビルの屋上で)

 

世間狭すぎます。

なんと、ヴェールの彼は、5年ほど前から夫のクライアントで、出張先のボストンでは彼とビジネスディナーまでしていたのです。

 

同じ時期にヴェールにバケーションに行っていたというところからもしか、ということでわかったそうです。

このメールは、ずっと彼女たちのことを考えていたまさにその時に送られて来たので本当に驚きました。これで4人でのディナーも夢ではなくなりました。

この信じられない偶然。ヨガに行かなかったらなかった出会い。一歩を踏み出して話しかけたから、嬉しいことが次々と 起こり出した。

ほんの少しの勇気と笑顔で、知らない人と「スモールトーク」をしてみる。それができるようになると、自分にも話しかけやすい雰囲気がどんどん身について行きます。

すると、意識してないところで予期せぬ展開があって、人生が開運して行くんですよね。

だから、 笑顔はいつも意識していよう、とあらためて思いました。たとえ一瞬のエレベーターの中でも。

また、ヘアメイクや服装も、どんなに慌てていても、満足のいくレベルを心がけよう。

すると自分に自信が持てて、笑顔が自然に 湧いてくるし、他人と目があってもそらさずにすむから。

 

たかがエレベーターの中での一瞬ですが、命運を分ける出来事が起こるかもしれません。

できることなら幸運の扉を開けたいものですね。そのために、今日もエレベーターに乗る時も、気を抜かず笑顔をまといたいと思います。

 

 


 

 

Article By Rumi Common

コモンるみ(オンラインストアRish NY/リッシュ・ニューヨーク代表であり、コラムニスト)

N Y在住今年で30年。ファッション誌編集者、日系新聞社の現地法人記者、N Y不動産の売買を経て2011年東日本大震災をきっかけに日本とN Y州で起業。著書に「N Y発幸せになれる体質作りGiving 上流の極意」(廣済堂出版)「N Y発世界基準の女の心得」(武田ランダムハウスジャパン)「NY流見た目のルール」(カドカワ)がある。オンラインストアRish NY/リッシュ・ニューヨーク代表

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