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スニーカーと未だ見ぬ世界を旅をする
小島慶子

オーストラリアに引っ越してから、スニーカーを履く機会が増えました。パースでの生活ではもちろん、季節ごとに息子たちと国立公園に旅行に出かけるようになったこともあって、なくてはならないものになりました。

 

先日出かけたのは、世界自然遺産のシャーク湾。パースから北へ車で10時間、飛行機だと2時間ちょっとのところにある半島です。

 

シャーク湾の名物は、野生のイルカがビーチまで遊びに来るモンキーマイヤー、真っ白な貝殻でできたビーチがどこまでも続くシェルビーチ、地球上の他の場所ではほぼ見ることのできないシアノバクテリアの作り出した岩の塊“ストロマトライト”が見られるハメリンプールなど。

湾からボートですぐのダークハートッグ島では、崖の上から、打ち寄せるインド洋の大波やサメの群れを見ることができます。

運が良ければ、ジュゴンやマンタとの遭遇も。

 

一帯は深い入り江で外洋の荒波から守られており、湖のように静かです。

沖の方に海草が群生して潮の流れをせき止めていることもあり、塩分濃度は通常の2倍。

どこまでも透き通った美しい遠浅の海が鏡のように広がる風景は、心安らぎます。

夕景は淡いピンク色の空が水色の水平線と溶け合って、とても幻想的です。

 

 

シャーク湾の遠浅の海。このあとすぐ目の前をイルカが泳いでいきました。波がほとんどないので、静寂と鳥のさえずりだけが聞こえます。

こちらが素晴らしい夕景。

 

ちなみにシャーク湾は上質の塩の産地としても有名。

日本でも高級な海塩を買うと産地の欄に「オーストラリア・シャーク湾」とあります。

大相撲の土俵で撒く塩にも使われているそうです。

 

世界自然遺産なのでどれほど混んでいるのかと思いきや、パースから距離があるせいか、実にのどかでした。

イルカの来るモンキーマイヤー保護区も、朝一番にはビーチに人が詰めかけるものの、昼、夕方となるとイルカが来ても騒ぐ人もいません。

波がなく遠浅なので、イルカの他にもエイや小さなサメ、カメもすぐそばまでやってきます。

 

モンキーマイヤーでは野生のイルカが餌付けされています。キャップを被った専門家による解説を聞きながら、そっと離れて見守ります。

 

ハメリンプールもまた、混雑とは無縁でした。

とにかく全てが広いので人の存在があまりに気にならないというのもありますが、シーーーーンとした中で微かな波音と風の音に包まれ、ツバメのさえずりを聞いていると、太古の海に来たような気分になります。

磯に生き物がたくさんいる豊かな日本の海とは違い、強い紫外線と高い塩分濃度に適応したわずかな種類の生き物しかいないシャーク湾の海岸の風景は、生命の始まりの頃を彷彿とさせます。

 

こちらがハメリンプールの、ストロマトライト。岩の一つ一つはバスケットバスケットボールよりも少し大きいくらいですが、この大きさになるまで2000年かかっているそうです。

 

ハメリンプールにあるストロマトライトというものは、ぱっと見は極めて地味な丸っこい岩なのですが、様々な種類のバクテリアが織りなす生命の塊で、中でもシアノバクテリアは、なんと数十億年前にこの地球上に地道に酸素を作り出してくれた大恩人。

バクテリアが作った酸素がじわじわ海に溶け込み、海に溶けきれなくなった酸素がやがて大気中に放出され・・・で、地上に酸素呼吸する生き物が登場するのはその後ですから、気の遠くなるような営みがあって今の環境が作られたのですね。

息子たちにも「全生物的に数十億年規模でお世話になっているのだからちゃんとお礼を!」と言い聞かせ、みんなでありがとうと言ってきました。

 

シェルビーチは、やはり過酷な環境に適応したザルガイが1万年前からびっしりと海底を埋め尽くした結果、その白い貝殻が山脈のように積もり、あたり一帯を埋め尽くしている場所です。

こちら、足元は全部貝殻です。

 

波打ち際も浅い海の底も貝殻。

とても美しい、この世ならぬ光景でした。シャーク湾一帯がこの貝殻と砂でできた土壌で、そこから切り出した石で作られた建物もあるそうです。

シェルビーチ。波打ち際も海の底もこれ全部、たった1種類の真っ白な貝殻です。

 

他にも挙げればきりがないほどの感動とスケール感にあふれたシャーク湾の旅でしたが、足元はニューバランスのスニーカーとビーチサンダルで通しました。

この波の静かさ!

愛用のニューバランスROAVシリーズ。フライトでも足が疲れず、手離せません

 

ニューバランスのROAVシリーズはとにかく履きやすくて軽くて重宝しています。

ずんずん歩いて、まだまだ知らない世界を見に行きたいです。

 

いつもお世話になっているスタイリストさんとヘアメイクさんからのサプライズのバースデーギフト!ラ・ペルラのレースはやはりため息が出るほど美しい…

 


Article By Keiko Kojima

小島慶子(タレント、エッセイスト)
仕事のある日本と、家族と暮らすオーストラリアのパースを毎月往復する出稼ぎ生活。 『るるらいらい~日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)、『解縛(げばく)』(新潮社)、小説『わたしの神様』(幻冬舎)、小説『ホライズン』(文藝春秋)、新刊に『幸せな結婚』(新潮社)がある

 

 

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