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永遠のシャネルとカールラガーフェルドのクリエイティブ
コモンるみ

先月カールラガーフェルドが亡くなりました。

 

突然の訃報に不覚にも涙が出ました。

 

今日、わたしはラガーフェルド最期の秋冬プレタポルテのランウェイの一部をネットなどで見ました。本当に素晴らしかったです。今更ながら憧れ、着たくなる服がいっぱいありましたよね。

 

あの巨大グラン・パレにシャレーを作り、雪を降らしたのです。

 

ラガーフェルドは母と同じ年だったのですが、年齢不詳で、おじいさんという言葉が全然似合わない人でしたよね。

 

100歳ぐらいまで魔法を使いながら生きそうな気がしていました。

 

ついクローゼットの中から、普段は大切に大切にしまっているシャネルたちをもう一度取り出してみました。

 

そのほとんどはラガーフェルドがシャネルのデザイナーに就任した1983年以降の作品です。

 

40年近く前に買ったバッグはバックルが壊れてお修理に出したら新品同様になって帰ってきました。ジャケットは13年前のもの、アクセサリーは全て80年代のもの。

80年代に夢中で集めたアクセサリーたちの一部。イヤリングは壊れてしまっても捨てられませんでした。どんだけぇ〜。

 

今でも忘れられません。

 

19歳で初めて1ヶ月間ヨーロッパ各国を回った時、わたしはパリでどうしてもシャネルのバッグが買いたくて、 出発前の春休みは、丸ごとデパートでアルバイトをしました。

 

分不相応と言われても、わたしにとってシャネルは夢のブランドだったのです。やっとパリの本店で本物を拝め、触ることができた時は感激でした。

今でも担当してくれた女性の顔を覚えているぐらい。

 

でも実を言うと、あのふっくらしたキルティングのソフトな皮革素材は、そう長持ちしないのではと思っていました。

 

まさか、40年経った今も、一度のお修理は経ていますが、こんなにも新品同様でいてくれるなんて想像もしませんでした。

 

 

お洋服もしかりです。

夫との二度目のデートで着て行ったのもシャネルのジャケットでした。

 

20年以上前に買ったそのジャケットも、取り出してみると状態は完璧です。今年のシルエットは肩パッドが少しだけ戻ってきているので、着てみたら、それほど古さも感じさせず、今更ながらココシャネルとカールラガーフェルドの偉大さを感じました。

 

夫との二度目のデートに着て行ったジャケット。インナーのヴェストは今はなきヘンリーベンデルのオリジナルブランド。

肩幅に若干パッドが入り始めた昨今。20年以上前のジャケットを当時と同じように着こなしてみました。

 

シャネルのジャケットは単なる憧れだけでは買えないお値段です。でも、裏地や細部の作りをみると、やっぱりすごすぎる。

シャネルマークがどどーんと目立つジャケットで夫に顰蹙を買って以来、こそっと購入したのは一目ではブランドがわからないジャケット。

裏側にも凝っているのはさすが。裏地には透かしでシャネルマークが。ヘムラインにはチェーンがついていたり

ボタンのシャネルマークもほとんど目立ちません。

 

お洋服だけはいろいろなブランドのものを買い、着てきましたが、シャネルほど、時代や流行という移ろいやすく気まぐれで過酷な波をくぐり抜けられるブランドは他に知りません。

 

でも、これを一度目のデートに着なくて本当によかったと今更ながら胸をなでおろします。

一度目にシャネルを着たら、120%の確率で夫にフラれていたでしょう。自分の分際を理解できないバブル日本からきたファッションビクティム(犠牲者)と烙印を押されたはずです。

 

たまたま一度目のデートで「きみとは結婚すると思う」と言われたために、つい嬉しくて 着て行ったのです。

 

日本ではファッション雑誌の編集者だったので、洋服にお金を使うことに関してお財布の紐が緩く、感覚が麻痺していたのです。

 

が、後で言われました。

 

「シャネルは、日本ではどうかわからないけれど、アメリカでは、年収1億円以上稼いでいる夫のいるアイドルリッチ(有閑マダム)か、自分で同じぐらい稼いでいる中年のマダムが着るブランドだと思うよ」

と、ちくっと。

 

そうなんです。確かにアッパーイーストにビリオネアの奥方はたくさんいらっしゃいますが、シャネルを普段着にされている方、わたしはそれほど存じ上げません。

 

でも、そのマダムたちが唯一堂々とシャネルスーツを着る場があります。離婚訴訟の法廷なんだよと、離婚専門弁護士が教えてくれました。

 

慰謝料をできるだけたくさんいただくために、今までわたしのライフスタイルはこれで、こんなに生活費がかかっているということをシャネルスーツなら、暗黙の了解で示すことができるから、だとか。笑笑

 

 

だからこそ、シャネルは女性の憧れだけど、男性にしてみたら理解できない奢侈のシンボルということになるのでしょう。

 

 

宝石には何十倍の大枚を喜んで出す男性も、洋服やバッグには価値が見出せないようです。

 

宝石や絵画なら何代にもわたって引き継がれるけれど、服やバッグは所詮消耗品で芸術のカテゴリーには入れてもらえないから、でしょうか。

 

でも、シャネルだけは別格。

ココ・シャネルのレガシーを引き継いだラガーフェルドは、彼女の意志とクリエイティヴィティを忠実に体現し、一方で流行というエネルギーを天才的なタッチで更新していったと思うのです。

 

ファストファッションとは究極の対極にあるシャネル。

良いものを長く。

絶対に流行に廃れないシャネル、ココとカールが創り上げたブランドはホント、殿堂入りしましたね。

 

ラガーフェルド最期のコレクションから大枚をはたいてジャケットを1枚買おうかと今、お財布と相談しているところです。

 

 

カールラガーフェルドを偲びながら13年前のジャケットを着てみました。

90歳になった時、孫に自慢げに「これはね、カールラガーフェルドが最期に作ったコレクションの1枚なの。よかったらマミーに内緒であげるわよ」とウィンク付きで言えるおばあちゃんになっていたい!

 

 


 

Article By Rumi Comon

コモンるみ(コラムニスト)

N Y在住今年で30年。ファッション誌編集者、日系新聞社の現地法人記者、N Y不動産の売買を経て2011年東日本大震災をきっかけに日本とN Y州で起業。著書に「N Y発幸せになれる体質作りGiving 上流の極意」(廣済堂出版)「N Y発世界基準の女の心得」(武田ランダムハウスジャパン)「NY流見た目のルール」(カドカワ)がある。オンラインストアRish NY/リッシュ・ニューヨーク代表

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